モエレ沼公園ではグランドオープン5周年を記念して「イサム・ノグチ あかり展」を開催いたします。 和紙と竹を組み合わせて作られた<あかり>は、日本国内だけでなく世界中の人びとにも愛されているイサム・ノグチの照明器具のシリーズです。どのような住空間にも調和する普遍的な魅力を備えたモダン・デザインの名作としても知られるこの<あかり>は、日本の伝統産業である提灯からヒントを得てデザインされました。 イサム・ノグチが<あかり>の制作に取り組むことになったのは、1951年の夏、ボーリンゲン基金の奨学金によって世界中を旅していたときのことです。広島に向かう道中に立ち寄った岐阜で、当地の伝統産業である岐阜提灯と出合い、自ら光を発する彫刻を模索していたノグチは、そこで作品制作についての新たな可能性を発見しました。日本の伝統的な産業、岐阜提灯とイサム・ノグチが出会ったことにより光の彫刻<あかり>が生まれたのです。ノグチはその後もたびたび岐阜を訪れ、35年ほどの間に200種類以上の<あかり>のデザインを作りました。この<あかり>は、ノグチ自身が「生涯でいちばんの作品」としばしば語っていたと言われ、彼の仕事の中でも重要な位置を占める作品です。 今回の展示では<あかり>と、ノグチの弟で写真家の野口ミチオによる当時の様子を伝える写真を展示し、イサム・ノグチの愛した<あかり>の世界をご紹介します。
|作家プロフィール
Isamu Noguchi(1904 ロサンゼルス-1988 ニューヨーク)
英文学者で詩人の野口米次郎と、作家レオニー・ギルモアとの間に生まれ、少年期を日本で過ごす。渡米して彫刻家を志したのち、アジア・ヨーロッパを旅して学び、パリでは彫刻家ブランクーシの助手をつとめた。ニューヨークに居を定めてからは、肖像彫刻、舞台美術制作を経て、環境彫刻やランドスケープ・デザインにまで及ぶ、幅広い活動を開始。戦後は日本でも陶芸彫刻や、和紙を使った「あかり」のデザインなどを行い、世界中で、彫刻、モニュメント、ランドスケープ・デザインなどの創作活動を行った。 最晩年の1988年にはモエレ沼公園のマスタープランを策定した後、その年の12月にニューヨークにて永眠。ノグチが亡くなった後もその意志は継がれ、1992年には札幌市大通公園に「ブラック・スライド・マントラ」を設置、2005年には遺作であるモエレ沼公園がグランドオープンした。
○関連企画
開催日時:2010年7月24日(土)/8月7日(土)/ 8月21日(土)/ 9月4日(土)計4回 午後2時より(30分程度) 参加費:無料(展覧会のチケットが必要です)
開催日時:2010年8月8日(日) 講師:*Maco 料金:800円程度(保険・材料費含む) 参加方法:7月12日(月)からモエレ沼公園管理事務所まで電話(011-790-1231)かFAX(011-792-2595)、E-mail(moere_hidamari@sapporo-park.or.jp)で受付。先着20名。
○同時開催
青空の下で開催するコンサート。魅惑のアルゼンチンタンゴの音色をお楽しみください。
出演:El Puente
開催日時:2010年7月31日(土)①14時 ②16時30分(各回45分)
入場:無料
会場:ガラスのピラミッド1Fアトリウム1
札幌市内で活躍するアマチュアバンド8組による様々なジャンルの演奏が楽しめるコンサートです。
開催日時:
2010年8月14日(土)・15日(日) ①12時 ②14時 ③16時30分 ④18時 (各回45分)の4公演
入場:無料
会場:ガラスのピラミッド1Fアトリウム1
2010年7月17日[土]-9月5日[日]