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近日開催のイベント

狩野哲郎 あいまいな地図、明確なテリトリー  ―ガラスのピラミッド開館10周年記念展

私たちの暮らすこの世界を把握するための地図は、この世界そのものではありません。家やビル、道、川、岬、山などを標識として図に描きあらわされた地図は、人々が混乱せずこの世界を歩いて行くための認識のツールです。

では、動物たち―たとえば鳥は、どのように世界を把握しているのでしょうか?

狩野哲郎は、これまで、植物の発芽を見守るインスタレーションや、鳥や果実などの人間が制御することの出来ないものと既製品である園芸用品や鳥よけを展示空間に構成したインスタレーションなど、様々な手法で作品世界を生み出してきました。

本展で展開されるのは、既製品を組み合わせた卓上の/ 草上の/ 空中の/ 鳥のための/ 世界に存在するあらゆるなにかのための ―ランドスケープです。それは人間から見ると大きな鳥かごのようでもあるし、一方、鳥から見るとひとつの都市とも捉えられるでしょう。
狩野が投げかける曖昧でいくつもの視点を内包する世界は、鳥という他者に意識を傾けることで、これまで認識することのなかった新たな知覚が存在することを示します。

本展はガラスのピラミッド開館10周年を記念して開催するものです。モエレ沼公園の可能性を切り拓く、新しい試みをどうぞご覧ください。


モエレ山について

イサム・ノグチはモエレ山を可視化した。 
地図を、現地を書き換えた。

あの山はここがmoyreと名付けられた頃には見えなかった。
地図には存在しない類推の、形而上の、不確定な山だった。
透明な山も現地には存在していて、明確に誰かのテリトリーだった。
いつだって純粋な地図が必要だ。
さもなくば、木木も岬も見えないままだ。
誰かが海に出てそれを呼ぶまで私たちは岬を知らなかった。

鳥は先天的な方向感覚で魔術的な道を知るという。
夕暮れ時にモエレ山の頂上からガラスのピラミッドの方を眺めると、
無名の鳥たちが山頂、峰、峰をかすめて沼へと向かう。 
回廊を、庭をめぐるように標識をたどる。 
野生の地図にこの山は記述されているだろうか。

一枚で複数に読まれうる地図があることを想像する。 
自然のプランはいつだってはかなく不変かつ抽象的な具体物なのだから、
あたらしい地図はすこし曖昧なくらいが呼吸するように美しい。

                                ― 狩野哲郎                     


○作家プロフィール

狩野 哲郎 KANO Tetsuro
1980年宮城県生まれ。東京都在住。東京造形大学造形学部デザイン学科(環境デザイン/都市環境コース)卒業、同大学院造形研究科(美術研究領域修士課程/絵画コース)修了。狩猟免許(わな・網猟)取得。 鳥や植物、果実といった自然物や拾得物、既製品等の広義のファウンドオブジェクトとさまざまな素材を組み合わせ作品を制作。近年「SEOKSU ART PROJECT」(2010、韓国)、「NEO-TOPIA」(2010、秋吉台国際芸術村、山口)、「吃驚 BIKKURI」(2010、国際芸術センター青森)、「純粋な標識 / Clear signs, Vivid tones」(2012、ハラ ミュージアム アーク、群馬)など数多くのレジデンスや滞在制作型のプロジェクトに参加。主な個展に「自然の設計 / Naturplan」(2011、ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト、東京都現代美術館)、「一本で複数の木 / Protean wood」(2012、YUKA TSURUNO、東京)、グループ展に「呼吸する環礁―モルディブ-日本現代美術展」(2012、モルディブ国立美術館)、「庭をめぐれば」(2012、ヴァンジ彫刻庭園美術館、静岡)などがある。

http://www.tkano.com/


○関連プログラム

プレイベント L PACK in 円山動物園 「氷山・コーヒー」

アーティストユニットL PACKが狩野哲郎の作品とともに「コーヒーのある風景」を作りに円山動物園にやってきます。
ドリップしたホットコーヒーを大きな氷山の上でくるくる冷や してアイスコーヒーをつくりましょう!

開催日時: 2013年7月6日(土)11時~14時 *材料がなくなり次第終了
参加費: 無料 (動物園の入園料が必要です)
参加方法: 当日会場へ
会場: 札幌市円山動物園 エゾシカ・オオカミ舎 横(札幌市中央区宮ヶ丘3番地1)
アクセス: 地下鉄東西線円山公園駅3番出口より徒歩15分
http://www.city.sapporo.jp/zoo/index.html

詳細はこちらをご覧ください。
>>http://www.sapporo-park.or.jp/blog_moere2/?p=1659

トークプログラム 対談「動物たちの見えない地図」

出   演: 狩野哲郎(本展出品作家)・本田直也(札幌市円山動物園飼育員・鷹匠)
開催日時: 2013年8月4日[日]  14時~15時45分
参  加  費: 無料 
定      員:   80名 *要予約
会      場:   ガラスのピラミッド1Fスペース1、2Fスペース2
お申し込み:   7月15日(月・祝)よりお申し込みフォーム、電話、FAXで受付。

詳細はこちらをご覧ください。
>>http://www.sapporo-park.or.jp/blog_moere2/?p=1639

週末ミニコンサート 鳥をめぐるクラシック音楽から

出      演:   アウリス・マンドリン・アンサンブル
開催日時:   2013年8月17日[土] 1回目 14時 2回目 16時30分 (各回30分)
参  加  費:    無料   *当日会場へ
会        場:   ガラスのピラミッド1F アトリウム1
詳細はこちらをご覧ください。
>>http://www.sapporo-park.or.jp/blog_moere2/?p=1709


○同時開催

札幌市街に位置する2つのカフェ、ギャラリーでも狩野哲郎展が開催されます。
会場ごとに異なるコンセプトの作品がご覧いただけます。ぜひ足をお運び下さい。

Savage structures / 野生のストラクチャ

会  期: 2013年7月27日[土]―8月24日[土]
時  間: 14:00-22:00 
休 廊 日: 日曜日/月曜日
会  場: salon cojica (札幌市中央区北3条東2丁目中西ビル1F TEL:011-522-7660)
アクセス: 地下鉄東西線バスセンター駅3番出口から徒歩10分/札幌駅から徒歩7分/大通駅から徒歩15分
主催・企画/ salon cojica 協力/公益財団法人札幌市公園緑化協会
http://www.salon-cojica.com/

FAbULOUS WALL Metaphysical peaks / 類推の峰、峰

会  期: 2013年7月11日[木]-8月11日[日]
時  間: 11:00 – 23:30(最終日は21:00まで)
定 休 日: なし(パーティー等で貸切となる場合があります)
会  場: FAbULOUS (札幌市中央区南1条東2丁目3-1 NKCビル1F TEL:011-271-0310) 
アクセス: 地下鉄東西線バスセンター駅3番出口から徒歩1分/大通駅34番出口から徒歩5分
主催/FAbULOUS 企画/RAWPLAN 協力/公益財団法人札幌市公園緑化協会
http://www.rounduptrading.com

*2つの会場からモエレ沼公園へは、バス停「バスセンター」とバス停「モエレ沼公園」を往復する
北海道中央バスの期間限定バス「東6 モエレ沼公園」行が便利です。

Information

開催日:

2013年7月26日[金]-8月25日[日]


開催時間:
9:30-17:00
*7/27は花火大会のため16時まで(雨天の場合は翌日に順延)
会場:
モエレ沼公園ガラスのピラミッドおよび周辺屋外
(北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1)
料金:
無料

主催:
公益財団法人札幌市公園緑化協会
後援:
札幌市、札幌市教育委員会
北海道、北海道教育委員会
協賛:
大塚食品株式会社
AGC硝子建材株式会社
協力:
札幌市円山動物園、円山陶房
FAbULOUS、LPACK
RAWPLAN、salon cojica
YUKA TSURUNO GALLERY
お問い合わせ:
モエレ沼公園管理事務所
TEL: 011-790-1231
FAX: 011-792-2595
イベント申込みフォーム:
http://moerenumapark.jp/event/?p=618 *7月15日より受付開始
プレスリリース:
http://moerenumapark.jp/pdf/kano_moere_press.pdf
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